ワンダーランド・シューティングスター
・「メアリーと遊園地」と「最後のワンダーランド」を混ぜました

 

【1】 ワンダーランド


 遊園地をいつも一人で彷徨っている少女がいた。
 遊ぶでもなく、笑うでもなく、ただ歩いている。
 いつものように妹の手を引いて、はしゃぐ人々の間をすり抜けながら、僕は今日もその子を見かけた。薄い金色の髪の三つ編みが二本、ふわりと彼女の背に落ち掛かる。
 歳は僕と同じくらいだろうか。黒いシャツにプリーツスカート、その上に研究者のような白衣を纏っている。心の浮き立つ非日常のワンダーランド ──── 遊園地にはとても似つかわしくない、誰が見ても浮いている格好のはずなのに、何故か彼女を振り返る者は一人もいない。
もしかして、彼女は僕にしか見えていないんだろうか? そう思って、隣で手を繋いでいる妹に尋ねたら、
「見えるよ。あのお姉ちゃん…・・・変なカッコしてるよね」
 自分がおかしくなったわけではないのだと少し安心して、いつの間にかもう片方の手に風船を握っていた妹にそれはどうしたんだと聞いているうちに、白衣の彼女は人波に消えてしまった。

 またどこかで見付けられるだろうか。




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