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※ストーリー重大ネタバレを含みます
※レイオン×謎の男
※なんでも許せる人向け
※謎の男=「ミロス」
「めいどのみやげ」
「ほれっ……!」
「やっ……! あ……っ……」
暗がりで蠢く影。
律動に合わせて抑えめの嬌声が上がる。
「これか……!」
「んっ……や、やぁ……ッ……」
夜は訪れる者のない街外れの防壁の近く、植え込みに姿を隠すようにしながらその行為を見守っている。
────まさか、親友と息子がデキていたとは………。
ぶっちゃけて言うと2周目だ。
記憶を取り戻しての衝撃の真実と結末の後、罪を償うために冥界に赴き、しばらくタルタロスで強制労働させられていたが、赦されて新しく人間の子供に生まれ変わった。そのまましばらく村の子供たちとブタを追いかけ回していたが、飽きたので2周目を始めることにした。
妖精の村──本名を名乗ったら「その名前似合わないわよ!」と拒否され1周目と同じ名を名乗ることになった──レイオンとの出会い、アテネ、トロイ、ペルシアと物語を展開してきたのだが、無口設定のせいで2周目であることは明かせていない。
それでも、常に気にかけていたのは息子のミロスのことだった。
父親である自分──バオールに怨みと殺意を抱いて旅に出て、何の因果かプロメテウスに選ばれて不死の身体を得た代わりに記憶を失い、同じ境遇の自分たちと出会った。
1周目、最後の最後に記憶を取り戻したミロスとタイマンした際には殺されても本望だと思ったのだが、まさかの「一緒にいさせてくれますか……?」にどう答えようか混乱しているうちに意識が薄れ、冥界に落とされたのだ。
それからずっと抱いていた思い。
────どうか、幸せに………………。
それは生まれ変わっても2周目の今も同じだった。愛しい息子には常に……1年365日24時間休みなく常に幸せでいてほしい。
まずは何やらレイオンに一方的に嫌われているのが心苦しい。
できればもう少し仲良くしてくれないか?とレイオンにお願いしたのだが────……
「……はぁ……っ……」
声が途切れ、影がもぞもぞと形を変える。
小柄な方が上に───大きい方が下に。
なるほど。これは完全に合意のようだ。もしかしてムリヤリ!?とも思ったがその線はなさそうだ。
こういう方向で仲良くというのは完全に予想外だったが、当人同士が良いなら何も言うことはない。そもそも無口設定のせいで何も言えないだろうが。
こんな自分の親友になってくれたくらいだから、レイオンがいい奴なのは間違いない。
ならば言いたいことはたった一つ。
────息子をよろしく………!!!!!!!
これなら3周目に行かなくても安心だな。
さて、明日はベスビオ山登山だっけか。オレは早めに休むことにしよう。
………眠れるかどうかはともかくとして。
《END》 ... 2025/09/26
これはひどい。でも書きたいから書いた!
自分の歌を歌えばいいんだよ。そう岡本太郎も言っていた。(映画タローマン5回見て脳を焼かれた産物です)
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