奏曲
・ヘブンズ・ストリングス×マッハ
・R18くらい
・ストさんがややめS
・スカイ・ペガサスがWくんのデッキにいます(「アークライトさんちの44」みたいな感じ)

 

 

 男の細い指が白天馬の精霊の頬を撫でた。
「貴方は我が主に何を望むのです?」
「……何も……。あの子の方が私たちに何かを望んでいるのではないのか?」
 切り札、勝利、そして絆。
「それも、そうですね……」
 含み笑いと共にするりとスカーフがほどかれた。

 その言葉も仕草も、全てが音楽的に感じられた。ヘブンズ・ストリングス───天上の奏者の名を持つナンバーズの精霊はあらゆるものに旋律を見出す。
「貴方の『音』を聴かせてください………」
 弦を爪弾き糸を操るその指はひどく繊細で、触れているのかいないのか、膚の表を掠めるように撫でる。
「あ……あぁ……」
 ゆるゆるとあちこちを撫でられて思わず吐息が漏れると、ヘブンズ・ストリングスはふふ、と笑った。
「ここも……」
「……っ……」
 首筋にゆるやかに爪が立てられる。
「それから、ここ……」
「や……っ…」
 いつの間にか素肌を晒されていた鎖骨を辿り、微かに熱を灯しながら下へと降りていく。敏感な脚の付け根をカリ、と掻かれると背筋にゾクゾクと快感が走った。
「ん……あ、あ……っ……」
「いい声です……もっと聴かせてください……」
 つ……と滑る指に触れられて初めて、自身が熱を帯びて勃ち上がっていることに気付いた。そのまま握り込まれて、不意に強く扱かれてはたまらない。
「やあぁ……っ……! は、あぁ……っ……」
 はしたない声が零れるのを抑えることができず、緩急をつけ感じる箇所を的確に攻める手に次第にそこへと導かれる。
「はぁ、あ……っ……あ、やぁあ……ん……あぁっ……あ…っ……」
 昇り詰めようとしたその瞬間に、演奏者は手を止めた。
「あぁ……っ…ん……」
 捌け口を失くした熱が行き場を求めて切ない声を上げさせる。
「なっ……んで……」
「まだです……もう、少し……」
 ぴたりと喉元に人差し指が当てられた。
「な……、なにを……?」
 人間で言えば急所にあたる箇所を押さえられ、緊張ですっと熱が引いた。
「さあ、どうでしょう……」
「………!!」
 弦楽奏者の綺麗に整えられた爪が肌に食い込んだ。
「……っ……!!」
 そのままの深さでゆっくりと下へ降りていく。
「い…った……あ、あ……! や、あぁ……っ……!!」
 痛みと熱が真っ直ぐに痕を残して、糸のようにひとすじ。
「大丈夫です……傷は残しません……」
「……っ…、ああ……っく……う……」
 絶妙な力の入れ加減……傷が付いているわけではない。細く付けられた赤い痕は情事の後には消えてしまうのだろう。だが痛みと熱は心に刻まれいつまでも残る。
「……んっ……はぁ……っ……」
 二筋、三筋と痕が増えていく。
「ああ……いい『音』です……! さすがはスカイ・ペガサス、特別なナンバーズ……美しい」
 四本の赤い筋がまるで弦のように胸から腹部まで白い肌に刻まれ、奏者は愛おしげに指を滑らせる。
「もっと聴かせてください……もっと、私の手で奏でさせてください……」
「あ、ぁ……」
 入口がゆるゆると解される。肌に痕を付けられた先程も今も、その手はあくまでゆるやかに優しい。
「ふ……あぁ……ん……っ……」
 次第に奥へと入り込む指を拒もうとは思わない。そう───その意のままに。
「さあ、あなたの『音』を……!」
 熱い塊が押し当てられたかと思うと一気に奥へと突き入れられた。
「やあぁ……っ……! っあぁ……は……あ、ああ……っ…」
 ひときわ高く艶やかな声が上がり、ヘブンズ・ストリングスは愉悦の笑みを浮かべる。
「んっ……あ、はぁあ……っ……」
 絶え間なく突き上げられる快感が枷を外してゆく。

 まだ───その名を呼ぶことはできないけれど。


「ん……んっ、……やっ……あ、あぁっ…」
 軽く腰を揺すられ小刻みに声が上がる。かと思うと一度引いたものがゆっくりと最奥まで差し入れられ、深い溜息のような吐息がこぼれた。
「あ……っ……あ、はぁ……ん…あ、ぁ……」
 ヘブンズ・ストリングスの動きとスカイ・ペガサスの声が紡ぐ閨の奏曲……意のままに操られ、奏でられる楽器なのだと錯覚させる。

「はぁ……っ……あぁ…あ、ん……っく…う……や、あぁ……っ…!」 

「ああ……最高の調べだ……」
 うっとりと、天上の奏者は呟いた。


(了)

 

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2014/02/21 ストさん大好きな方をフォローさせていただいたら妄想がかっとビング

 

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