誰にも等しく向けられる、穏やかな微笑み。
天使のようだと、誰もが噂をする。
でもその天使に、僕はどうやら嫌われているらしい。
誰も気付いていないようだけど、僕には分かる。
話しかけると、少しこわばる笑顔。
ふと視線がそらされて。
僕のこと、嫌いなんでしょう?
僕があなたの大切な人のそばにいるから。
分かってはいても、僕にだけ向けられない天使の微笑みが悔しくて。
嫌われているのなら仕方ありません。

僕も、あなたのこと────嫌いです。




どうしてだろう。
どうして、あの人の前だと、普通に笑えないんだろう。
自分でもはっきり分かる、不自然な態度。
苦手なのかな。嫌いなんじゃないんだ。
ぼくを捉えたあの人の目が気になって────いたたまれなくなって。
目をそらしたから、嫌われたのかな。
嫌われてるから、目をそらすのかな。
どっちが最初だったのか、もう分からない。
周りにはそれを隠そうとして、また無理矢理に笑顔を作る、

────そんな自分が、嫌い。





「Angel Complex」






「望ちゃ〜ん、まだぁ?さっきのぶんはとっくに終わっちゃってるんだよ〜」
「わかっておる!!もうちょっと…ここの予算を記入すれば、後はおぬしに計算を任せて、わしはパーッと…」
「パーッと、行軍演習に出かけるんだよね(にっこり)」
「う、うむぅ…」

ここは周軍の前線基地に作られた、軍師・太公望の執務室。
珍しく太公望が、熱心に机に向かっている。
というのも普段の行いがたたって書類が溜まりに溜まり、演習に出かけなければいけない直前の今になって大変なことになっているというわけだ。

「お……終わった〜〜ッ!!」
がばっと体を起こして、太公望は書類をばさぁっとばらまく。
「ちょっと望ちゃん!それ、今からぼくが処理するんだから、バラバラにしないでよ!」
普賢が抱えていた太極符印を素早く操作すると、舞い上がった書類が元通りふわりと重なって机上にまとまった。
それと同時に、窓の外に四不象が姿を現した。
「御主人〜〜〜、もうダメっス!もうこれ以上は待てないっス〜!!早くしないと一番最後の隊にもおいてけぼりにされるっス〜〜〜」
「ああ・・・一服お茶を飲む時間すら許されないのか・・・」
「何言ってるんスか、自業自得っスよ!!」
太公望が心底情けない様子で立ち上がると、二人のやりとりを笑いながら見ていた普賢が、ポケットから何かを取り出した。
「仕方ないね、望ちゃん。これあげるから、頑張ってきて」
「おおっ、これは・・・!」
“仙桃エキス豊満ゴールド”、その種のドリンク剤では一番効き目の強いやつである。
「できればお世話になりたくないが、こういう時にはありがたいのぅ。それじゃ、ぼちぼち行くとするか。一晩留守にするが、後は頼んだぞ」
「うん。いってらっしゃい。気をつけてね。」




早く早くと四不象に急かされて、そのまま窓から出ていく太公望を、普賢は手を振って見送った。



*****************






こつ・こつ・こつ・こつ・・・・



静まり返った暗い廊下に、見回りをする自分の足音だけが響く。


────では、留守は頼んだぞ、楊ゼン。万が一のことがあったら伝令を寄越してくれ。
────分かりました、師叔。まあ、僕がいれば万が一のことが起こったって心配いりませんよ。
────相変わらず自信に満ちあふれておるのぅ・・・・


そう言ってにやりと笑い、基地中の兵士を皆引き連れて太公望は出かけていったのだが。楊ゼンと、伝令用の兵数名を残して誰もいないはずなのに、太公望の執務室の明かりが点いている。不審に思って部屋を覗くと、太公望と一緒に出かけたとばかり思っていた普賢が、執務机で書類を片づけていた。


「・・・・これはもしかして、『万が一のこと』って言うんじゃないだろうか・・・」


実は楊ゼンは、普賢のことが苦手だった。太公望に会うために地上へ降りてきた普賢と初めて会った頃は別に何ともなかったのだが、最近なんだか微妙に、普賢の態度がおかしいのだ。
その穏やかな物腰と柔らかな微笑みで、兵士たちからも「天使様」と噂され、慕われている普賢なのだが、楊ゼンにだけは少し違う。太公望と普賢と、二人が談笑しているところに話しかけると、普賢の「天使の微笑み」が僅かに曇る。例えば太公望からの伝言を、事務的にせよ伝えると、一応笑みを浮かべて礼を述べるものの、さりげなく視線がそらされる。
一体これは、なんなんだろうか・・・と考えて、すぐに思い至ったこと。

────事実上、今は太公望師叔の一番近くにいる僕が、気にくわないのですね・・・?

端から見ていてもすぐに分かる、太公望と普賢の仲睦まじさ。聞けばほぼ同時期に仙界に入った、大の親友なのだという。

────親友・・・でもそれだけじゃなくて、もしかして・・・・・・・

そりゃあ自分だって、太公望のことを慕わしく思っている。だが、それ以上でも以下でもない。そばにいるというそれだけで、嫉妬されなければいけないのは、なんだか理不尽ではないか。


天才と噂され、いつも羨望と嫉妬のまなざしに晒されてきた。
それは当然で、仕方のないことだと、いつも何も感じないふりをしてやりすごしてきた。
・・・・・だが、これは、何なのだろう・・・・。
『嫌われている』という認識が、胸に重くのしかかる。
僕だって、あなたのこと嫌いです・・・・・・・・・・・・。





しかし個人的感情がどうであれ、彼が仕事をしているというのであれば、手伝わないわけにはいかないだろう。普賢さま、と声をかけようとしたまさにその時、気配をを感じたのか書類に没頭していた普賢がふっと顔を上げた。

「わぁっっ!!よ・楊ゼン・・・・」

見ているこちらが驚いてしまう程の反応に、楊ゼンは胸の内でこっそり溜息をついた。まぁ無理もないだろう。自分だって、まさかこの人がここにいるなんて、露ほども思っていなかったのだから。

「普賢さま・・・驚いたのは僕の方です。まさか、まだ仕事をしていらしたなんて。何か僕に手伝えることはありますか?」
「あ、大丈夫だよ。ぼくももう休もうと思ってたとこだから」
そう言って少しぎこちなく笑ってみせ、せわしげに書類をまとめ始める。



────あからさますぎますね・・・・

・・・・・・・・・ひらりと、またひとひら、胸の奥に積もってゆく、これは・・・・・・・


────僕と一緒にいるのが、そんなに嫌なんですね?




机の上に散らばる書類の一枚に、ふと目が止まった。
「あ、それは・・・・・・・・・」
たしか別の部署の扱う書類ではなかったか。
「ちょっと待ってください、普賢さま」
その一枚を拾い上げようとした楊ゼンの手が、普賢のそれと微かに触れた。
「ぅわっ・・・・・・!」
単なる驚きとは少し違う、小さな悲鳴が、普賢の口から漏れた。それと同時に後ずさった普賢の手から、まとめた書類が滝のように床にこぼれた。

バササッ、と音を立てて、書類が舞う。

「・・・あ・・・・・・・・・・・・・・」

自分の反応に、普賢自身も驚いているらしかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」



────無意識ですか?なおさらタチが悪いですね・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・ひらりと、ひとひら。
これは、何だろう?この、もどかしい・・・・・・苛立ち?憎しみ?


・・・・・・・・つもり積もって。もう、たくさんだ・・・・・・




「・・・・・・普賢さま・・・・・・・・」
びくりと普賢が身をすくませた。無意識にせよ自分がしてしまったこと、それが相手にどんな感情を呼び起こしたのか気付いたのだろうか。
楊ゼンの次の行動も、ほとんど無意識だったに違いない。
「普賢さま・・・・!」
楊ゼンはその華奢な肩を掴んで、壁に押しつけた。
「いっ・・・・た・・」
「そんなに・・・・・それほどまで、僕のことが嫌いなんですか・・・・?」
「・・・・・・!違・・・っ、そんなこと、ない・・」
楊ゼンの問いを否定しながらも、やはり普賢はうつむいて目をそらしてしまう。
「嘘だ・・・。あなたは、僕のことが嫌いなんでしょう・・・。本当のことを言ってください・・・」
肩を掴む手に、知らず力が入る。普賢の表情に、怯えの色が走った。
「・・・あなたの本当の気持ち、言わせてみせましょうか・・・?」
「・・・違う!・・・・嫌いなんじゃないよ!!そうじゃなくて────」
そう言いながらも普賢は、必死になって楊ゼンを突き放し、腕をすり抜けて逃げようとする。

「─────逃がしませんよ」

ふわりと舞った背中の布を捕らえて引き寄せる。
「───!は・・・・離して・・・っ!!」
左手でかかえるように後ろから抱きしめ、右手で髪を掴んで強く引くと、仰向けになった普賢に上から被さるようにキスをした。

深く────────長く。








「・・・んっ・・・・・ぅん・・」
甘く、濃い口付けにふと力が抜けた一瞬を逃さずに、楊ゼンはその細い身体を抱き上げて、執務室の長椅子に横たえた。
放り投げられると言った方がいいようなその扱いに、普賢は我に返って起き上がろうとしたが、楊ゼンは素早く手首を掴んでその動きを封じた。
「・・・っ・・・くっ・・・・・・・」
涙目になって、それでも気丈にこちらをにらみ付けようとするその表情に、楊ゼンは思わずふっと笑みを漏らした。
「そうです・・・あなたの、そんな顔が見たかったんですよ・・・・。偽りの笑顔を見せられるより、こちらの方がずっと良い・・・・。ふふっ・・・僕のこと、嫌いなんでしょう・・・?もっと、もっと嫌いになってください。偽りの笑顔どころか、もう顔も見たくない、殺してやりたい、それくらいまで・・・」


普賢の肩口には、さっき強く掴んだときの指の跡が、じわりと紅く残っている。透けるように白い肌に浮かぶ紅。それを付けたのは、自分なのだ────。あふれるように理性を浸食してゆく嗜虐性のおもむくままに、楊ゼンはその白い首筋に、肩に、鎖骨に口付けを落とし、紅く跡を増やしていく。

──嫌いです、嫌いです、キライです──────・・・

ひとつひとつにその言葉を刻むように、埋め込むように。










「・・・っく・・・、は・・あぁ・・・・」

淡い桜色に上気した肌に、紅い跡がさらに紅く。
押さえつけた手首も、いつの間にか抵抗をしなくなり。

「・・・・・ッ、や・・・ぁん・・・・っ」

身体の中心、熱の集まるそこに触れてやると、敏感に反応が返ってくる。

「うぅ・・・んっ・・・!い・・・やぁ・・・っ、も・・やめ・・・・」
「・・・・普賢さま・・・・?」

あまりに敏感すぎる反応に、ふと思い付く。

「もしかして、初めて────なんですか・・・・?」
「・・・ったりまえじゃない・・・こん・・・なのっ」
「したこと、ないんですか?・・・師叔とも?」
「なっ・・・に言ってるのっ!ぼくと望ちゃんが、そんなわけ・・・!ぼくたちのこと・・・望ちゃんのことも、そんな風に思ってたの・・・!?」

思いもかけない屈辱が、与えられる快感で増幅され、普賢の目から涙がこぼれる。
それを唇で受け止めながら、

「だったら、どうして・・・、どうして僕にだけ、あんな態度をとるんですか?あなたが僕を嫌いなのは、師叔のそばにいる僕に嫉妬しているからだと・・・・そう思ってずっと────」
「っぁあ!!やっ・・・・ぁ・・・・はあぁ・・・・・ッ!!」

話しながら、普賢の一番感じるところに触れてしまったらしい。
甘い声がいちだんと高く上がる。

「普賢・・・さまっ・・・・」

ぞくりと背中を走り抜けた快感に言葉の続きを忘れ、楊ゼンは普賢の内に深く沈み込んでいった。

「ひっ・・・・・、いっ・・・やぁぁ・・・!!もぉ・・・・キライ・・・ッ!楊ゼンなんか・・だいっきら・・・ぃ・・・!」



────僕のこと、嫌いなんでしょう?だったら僕も、嫌いです、あなたのこと・・・。

偽りの笑顔はいらない。
ならばいっそ言わせたかった、その拒絶の言葉。

でも本当に、欲しかったものは───────?




*****************











朝の光の中、まだ隣で眠っている普賢の肌は、白く透きとおるようで────だがその白に点々と残る紅い跡が、昨夜自分が彼にしたことが、夢ではないと告げている。首筋、肩、鎖骨、そして強く掴んでいた手首。確かめるかのようにその一つ一つに触れてみる。

────・・・・・・『初めて』だった、と・・・?

「普賢さま、僕は・・・・」
思わずそうつぶやきながら、手首に残る紅い跡をそっと撫でると、微かに身じろぎをし
て、普賢がゆっくりと目を開いた。
普通だったらこんな時、昨夜の行為を思い出して身体をこわばらせたり、身構えたりするのは普賢の方だっただろう。だが、表情を固まらせて身動きがとれなくなってしまったのは楊ゼンの方だった。

────楊ゼンなんか・・・・だいっきらい・・・・・・!!

とぎれとぎれの普賢の声が、耳によみがえる。
動けないでいる楊ゼンの見つめる前で起き上がろうとした普賢は、身体の痛みに顔をしかめる。そろりと身体を起こそうとする、その様子が痛々しくて、楊ゼンは仮眠用の毛布でその身体をくるんでやった。
意外そうに少し目を見開いて、普賢は楊ゼンと向き合った。
何と声をかけていいか分からない。今の自分は、どんな表情をしているのだろう。そしてこの感情は、もしかして、後悔────?


「ねえ、今、ぼくに触れていたのは君?」
「え・・・ああ、そうですけど・・・・」
まだあまり焦点の合っていない瞳でそう訊ねられて、楊ゼンはそう答えるのが精一杯だった。
「そう・・・・・」
目を伏せて少し考え込むような様子の後、今度はまっすぐに楊ゼンの目をのぞき込んできた。
「楊ゼンは、ぼくのこと嫌いなんだよね?だからゆうべ、あんなことしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そのはずだった。だが、今そう答えるのはなぜか躊躇われて、楊ゼンが何も言えずにいると。


普賢は不意に、ふわりと微笑んだ。
いつも見慣れた、でも楊ゼンには向けられることのなかった『天使の微笑み』。
初めて、それもこんな場面で向けられたその表情に、楊ゼンはさらに言葉を失う。
「ね、それじゃ、ぼくがどうして君にだけあんな態度をとっていたのか、わかる・・・?」
「・・・・・・・・それは、あなたが僕を嫌──────」
答えを言いかけた楊ゼンの唇は、普賢の人差し指で止められた。
「くすっ・・・・・・ぼく、シャワー浴びてくるから、その間に正しい答え、考えておいてね」
そう言い置いて、毛布にくるまったまま、少し頼りない足取りで普賢は部屋を出て行った。

取り残された、楊ゼンは。
しばしの間、普賢の出て行った扉を呆然と見つめていたが、やがて、床に散らばったままの普賢の服を拾い集め、その感触を、その香りを愛おしむかのように、顔を埋ずめて抱きしめた・・・・・・。











*****************


「お帰り望ちゃん、お疲れさま!」
「ぅあ〜〜〜、た・ただいま・・・・・・・」

その日の夕刻、演習から戻った太公望は、執務室の長椅子にどさりと身を投げた。

「うわ、ホントに疲れてるみたいだね・・・。大丈夫?あんまり無理すると、いつまでも若くないんだから後悔するよ〜」
「はぁ・・・何アホなことを・・・。ん?そういえば・・・」
「?どうかした?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

窓枠に腰掛けて太極符印でデータを集計する普賢と、執務机でそれを書類に書き込んでいる楊ゼン、二人の様子を見比べる。

────何があったかまでは知らぬが、どうやらわだかまりは解けたようだのぅ。

二人の間に昨日まであったぎこちない雰囲気が消えているのを感じて、太公望は知らず表情をゆるませた。他の誰も気付いていなかった、二人の間の感情のすれ違い。初めて太公望以外の者を『特別』な目で見るようになった親友と、自分の『それ』が恋情からくる嫉妬であることに気づいていない、未熟者の自称天才道士、どちらも太公望にとって大切な二人であるだけに、どうにかしてやりたかったのだ。二人きりにされたことによるその変化は、太公望の思惑通りだった。

────それに・・・普賢の肩に残っている、あれはやはり・・・・

にやり。当分はそれをネタに、楊ゼンイビリ&仕事のストレス解消ができそうだと、胸中でほくそ笑む太公望であった。





────・・・笑ってる・・・・やっぱり、師叔には気付かれたみたいだ・・・

まさに『ほくそ笑む』としか言いようのない太公望の微かな笑みに、これから先きっとあの手この手で絡まれるだろうことを予感して、楊ゼンはこっそりとため息をついた。

────ま、仕方がないか。・・・それにしても、師叔と普賢さまがそういう関係だって思い込んで、しかも僕にだけ笑いかけてくれないって拗ねていたなんて・・・恥ずかしいな・・・。自分でもわかっていなかった、嫉妬していたのは僕の方だったなんて・・・・・。



可愛さ余って憎さ百倍。有名なことわざの意味を、かみしめる楊ゼンだった。


*****************









「じゃ、答えて。ぼくが君のことをどう思ってるか。二択問題だもん、簡単だよね」
長椅子に座って濡れた髪を拭いている普賢の隣に腰をかけると、ちょっと上目遣いに普賢はそう訪ねてきた。答えが分かったのは、どの瞬間だったろう。普賢の気持ち、そして、楊ゼン自身の気持ち。

「・・・あなたは、僕のことが好き、なんですか・・・?」
「正解。」

楊ゼンを見上げて、普賢はにっこりとほほえんだ。

「おかしいよね、こんなことに自分でも気付かずにいたなんて。さっき起きた時、まだあんまりよく目が覚めてなくて・・・でもぼくの手に触れているのが、なんだかすごく優しい・・・それが楊ゼンだって思ったときに、気付いたんだ。どうしてぼくが、楊ゼンにだけ上手く笑えなかったのか。全部わかったんだ・・・」

そう言って、くすぐったそうに笑う普賢がたまらなく愛おしくて、そっと頬に手を添えて、額に、瞼に口付けを落とす。そうしてそのまま、その耳元に囁くように想いを告げた。

「僕も、あなたが好きです。普賢さま・・・・」






《END》 ...2001.04.13




 


初めて書いたエロ小説でしたすいません直視できない
でもさげない、もったいないから!





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