間違っていると思ったなら
止めてほしい
この首を落としてでも
そんな言葉と一緒に与えられた一振りの剣。
「……どうしてそんなことを言うの?」
怖くて悲しくてたまらなかったけれど、パパが与えてくれたから、その剣はあたしのものになった。
それはあたしの心を忠実に映して、怒りを覚えれば大きく鋭く、普段の心持ちならば
手のひらに納まるほどの小刀に形を変えた。
やがて様々なことを学ぶにつれ、剣は他のことにも使えるのだということを知った。
傷つけるためではなく、殺すためではなく、……守るために。
それは他のものを傷つけることに他ならないのだけれど、
あたしも、この剣も………全てはお父様のために。
「懐剣」
とっさの時身を守るために敵に向けるもの。
あるいは誇りを守るために自分に向けるもの。
本当は後者のつもりだった。
幾度となく苦言を呈してくる彼女を退け続けたのは、
あの子の他の誰にも止めてもらうつもりはなかったからだ。
賢くおなり、聡くおなり、優しく……強く……正しくおなり。
そう思っていたのだけれど。
愛情を注げば注ぐほど、あの子は一途に僕を愛した。
僕と同じものを見、同じ道を歩こうとした。
あの子はもう僕を止めてはくれないだろう。
……僕は「神様」なんだから、思惑と違ってしまったものなど消してしまえば良いのに。
それを認めるのは、自分が不完全であると認めること。
……自分もまた、人間だったのだと。
愛してる。
愚かで可愛い僕の娘……ミカ。
《END》 ...2008/10/147
1の2周目のミカエル決戦の長セリフをメモ。
2のミカたんと同じ子なのかはやっぱりわからない。
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