Melty Kiss

・智彦×田中






2/14日記ログ
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バレンタインデー!!
ともたなは学校帰りにコンビニ寄ってお互い食べたいお菓子買いっこする。
「俺ブラックサンダー!!」
「…いいけど(…安っ…たけのこの里も買っとこう…)」
「田中は? 何がいい?」
「カロリーメイトチョコ味」
「ちょ…w それはあんまりだ!! てかチョコじゃなくね?」
「そうかなあ。それじゃ、メルティーキッス、いい?」
「い…(メルティー…キッスぅ! もしかして俺誘われてるッ!?)」 

そういうことばっかり考えてる男子中学生的な
そんで後できのこたけのこ戦争が起こったりする。

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かーらーのー
続きを書きました。4/8。

 

 

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「コーヒーでいい?」
「ああ、サンキュ!」
帰りがけ、智彦は僕の部屋に上がりこみ、二人でさっき買ったコンビニ袋を交換した。
僕にはメルティーキッス限定イチゴ味、智彦には……
「ブラックサンダー!と……あれ?たけのこの里?」
ブラックサンダーだけじゃあまりに安いから、こっそり入れておいたのだ。
「うん、まあ、おまけで」
「ふーん……」
「なに?」
思わせぶりに唸りながら、箱をガサガサ振ったりしている。
「いやー俺さ、どっちかつうときのこ派だったりするんだよねー」
「なにそれ。じゃあ返してよ。僕たけのこ派だから」
「や、ダメだ返せないね!ブラックサンダーはお前との物々交換だけど、
こっちはつまり、純粋にバレンタインチョコってことになるよな!?」
「そ、そうかなあ…メルティーキッスとブラックサンダーじゃ不公平な気がしたから
足しておいただけなんだけど…」
たまたまそう解釈できるってだけのバレンタインチョコなんて……もらって嬉しいんだろうか。
「あ、それじゃ智彦、ホワイトデーにお返しくれるんだね?」
「え…?あーそっか!そういうことになるな〜。そうかそうか〜」
茶化したつもりだったのに、何故か智彦は頬を緩めて納得したように頷いている。
「単純に交換だけじゃないってさ、なんか…付き合ってるとかみたいじゃん?」
「な…、なに、言ってるの……」
すごく今更。今更すぎるけど。
僕たちはそんなんじゃないって思ってたし、友達でもそれ以上でも、どっちにしても
一緒にいられればそれでいいと思ってるけど。
「んー……まあ、俺もどっちだっていいけどさ」
智彦がブラックサンダーの包みを開けて囓り始めたので、僕もメルティーキッスの箱を開ける。
ピンク色の限定イチゴ味の袋を破ってキューブを口に放り込んだ。
舌で感じる甘さに勝る、ほんのり鼻腔に抜けるイチゴの香り。
「……食べる?」
と、智彦がブラックサンダーの包みをこっちに向けて差し出してきたので、「うん」と頷いて
智彦の手のそれを一口囓る。
「僕のも、」
メルティーキッスを一つ開けて、智彦の口に放り込んだ。
「ん。」
「………」
そのまましばらくチョコを食べながら、学校の話、The Worldの話……いつもと同じ、なんてことのない時間。
そのうち、智彦が僕の手元をじっと見ているのに気付いた。
「…もういっこ、欲しい?」
「あ、うん…チョコっていうか、メルティーなんとか…」
「……?」
ふ、と智彦の顔が近付いて、キスをされた。
「ん……」
ブラックサンダーのビターなクッキーの香り、メルティーキッスの甘酸っぱいイチゴの香り。
融け合う。味わう。
ゆっくりと離れて、智彦は得意げに笑った。
「ごちそうさま!」
「……もう…」
いつものことだ。僕が(照れ隠しだけど)呆れたようにクールにあしらうのがパターンだったけれど。
「智彦……」
腕を伸ばし、首に抱き付いて耳元で言ってやった。
「好き。」
今更じゃね?と、智彦は笑って僕を抱き締めた。

 






《END》 ... 2013/04/08
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最初のはただのバレンタインデーの小ネタだったけど、なんか続きが書きたくなってね!バレンタインどころかホワイトデーもとっくに過ぎ去っているけど気にしなーい。
あと最近フォローした「本当にあったホモな話bot」のニアホモ男子がみんなこんな感じでムラッときた結果です。メルティーキッスイチゴ味うめえ。

 

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