・黒カイト×クビア
・微エロ?
「… 『しょくしゅ…ぷれい』?」
聞き慣れないその言葉を口の中で転がすようにクビアは呟いた。The Worldやデジタル関連知識は半端ではないが、リアルの人間のそういう類の情報には疎いのだ。
「そーだよ。XXXXだと、どう見たってクビア×僕の触手プレイじゃない」
スキャンしたのかどこからかDLしてきたのか、The Worldに持ち込んだXXXXの単行本をめくりながらこともなげにカイトは言った。
「これはこれでエロスの極みだと思うけど、僕はもっと違う角度から考えてみたいと思うんだ」
「…っていうと……?」
「例えば、この触手形態クビアの触手一本一本に繊細な触覚が備わっているとしたら」
カイトの指がにょろにょろと伸びる触手の描かれた紙の上をなぞると、自分が触られているわけでもないのに何故か背中がくすぐったくなるような気がする。
「備わってないことも…ないけど…」
「だとしたら、これはどう?」
言うが早いか、カイトはクビアの頭上でふわふわ揺れるアホ毛に手を伸ばした。
猫の尻尾を掴むみたいに、緩く握った手で根元から毛先へするりと撫で上げる。
「ひゃ…!や…っ…!」
とたんに全身に甘い刺激が走ってクビアは思わず声を上げた。
「あ、もしかして当たり?やっぱそれ、触手のなれの果て?」
「な、なれの果てって言うな!てゆーか放せ、触るなー!!」
「フフン…そんなこと言っていいの…?」
「あ…っ、…や…やぁ……!」
「こ、これは…いい触手…」
「やあぁ…ん…っ…は、ぁ……あっ…」
「はむはむ…」
「んっ……はぁ…っ…く、くわえない…で…っ…」
「…なんか光ってるけど、僕にデータドレインは効かないからね?」
「…っく…、や…もぅ……あぁ…っ…」
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「……カイトのバカバカバカバカバカバカ…」
「別に、髪触ってただけじゃん、エロい事なんか何もしてないし?」
「…………………」
「あーうん、ゴメンネ?」
「…誠意って知ってる?」
「まあまあ、それにしてもナイス触手プレイだったねえ〜」
「……カイトのバカバカバカバカバカバカ…」
「機嫌直してよ〜。それとも僕のこと、嫌いになった?」
カイトに背を向けて体育座りでそっぽを向いていたクビアだったが、そんな問いに答えは一つだけだ。
「嫌いになったりするわけない」
「じゃあ、好き?」
「…………………すき」
「よしよし、素直なのが一番だよ〜」
「なっ…ナデナデしつつ触ろうとするなー!!」
《END》 ...2011/06/24 ... 日記ログ
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