とりあえずレイデスっぽく書いてみました
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「・・・っ・・・・・くぅ・・・・・・」
聞こえたのは自分の呻きだった。
あれからどれくらい時間が経ったのかわからない、闇の淵に沈んだ意識を無理矢理浮かび上がらせると、体中に走る激痛が嫌が上にも覚醒を促した。
「・・・は、ぁ・・・・あぁ・・・・」
息を吸うたびに肺がひゅうひゅうと掠れた音を立てる。
背骨を打ったのか・・・・。肩も・・・・、それから脚と腕と・・・・
「・・・う、あぁ・・・・は・・・」
目を開けると、木々の間に水色の空が見えた。いつの間にか夜が明けていたらしい。
「ん、・・・・っく・・・・・」
どうやら打撲だけで骨折は免れたらしい。我ながら運の良いことだと、抑えきれず零れる自らの呻きを聞きながら、デスコールは痛みを堪え身体を起こした。
「全て・・・・終わったのか・・・・」
またしても古代遺跡を手中に収め損ねた。甦ったアンブロシアはもう誰のものでもなく、考古学的遺産として学者共の手に委ねられてしまうのだろう。
ならばもうこんな辺境の孤島などに用はない。
早く、早く・・・・・立ち上がって次の遺跡を目指すまでだ・・・・
だが起き上がった身体は力を失い、再び森の下生えの草叢に倒れ込んでしまった。
森は静かで、鳥の声、葉擦れの音、それだけだ。
・・・少し・・・・少しだけ、休めば・・・・・痛みも引く、城に戻り、また次の・・・・
ぼんやりとした意識の中、何かの音を聞いた。風に揺れる木の葉の音ではない。
規則的に、草を踏む・・・・・
「・・・・・!いた・・・・!」
息を飲む声。駆け寄る足音。
「・・・デスコール!」
呼びかけるその声に、途端に意識が覚醒する。
「・・・っ・・・・れ、レイトン・・・・!!」
反射的に身体を起こし、続いて襲う痛みに苦痛の声を上げる。
逃げる?闘う?
選択肢が答えを出す前にデスコールは腕を掴まれ、力を失いそうになる背を支えられた。
「大丈夫か・・・・?・・・・大丈夫だな・・・・」
感情の読みにくいその目は、デスコールの怪我の状態を正確に見て取ったようだった。
「私を、・・・・捕らえるのか・・・・。あの刑事とやらに引き渡すつもりか・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シルクハットにもコートにも一点の隙のない英国紳士は、デスコールの仮面の奥をじっと見つめていた。
「デスコール、お前は・・・・」
探るような、問い掛けるような声と共に手首を押さえていた手が放れ、ついと仮面に伸ばされた。
「・・・・だ、だめだ・・・・!これは・・・・ッ・・・・」
思わず痛みを忘れ、仮面に迫る手と背に回された手を振り解こうと全力で抵抗すると、その勢いで逸れたレイトンの右手はデスコールの帽子を弾き飛ばし、砂色の金の髪がばさりと広がった。
「あ、・・・・あぁ・・・・・」
仰向けに倒れたデスコールの視界には、やはり弾みで倒れ込み、押し倒すような格好になったレイトンしか見えない。最早これまでか・・・と仮面の外される瞬間を覚悟して息を飲んだ、その時だった。
「・・・・・・・・・・旦那様ー!!!」
老人の叫びと共に、数人の足音が駆け寄ってくるのが聞こえた。
「・・・お、お放しください・・・・!その方は・・・・!!」
「・・・・・・・・・・・」
老人の叫びにデスコールを束縛していた重さは消え、紳士に戻った手は気遣う様子を見せながら再び背を抱き起こした。
「・・・、デスコール・・・」
「・・・・ッ・・・・」
最後に髪にさらりと触れたレイトンの手が離れると同時に、執事の老人と部下たちの手がデスコールを支えた。
「・・・旦那様・・・よくぞ、ご無事で・・・・!」
「・・・ああ・・・・・・・」
顔を上げると、既に手の届かない所でシルクハットを整えるレイトンが見えた。
「・・・・────・・・・・・・」
何か言いかけたその口元はすぐにきっと引き結ばれ、もとより感情の読みにくい目はシルクハットの鍔で隠された。
捨て台詞どころか決め台詞も皮肉の言葉も何もなしに、英国紳士は森の木々の間に姿を消した。
「旦那様・・・・」
「・・・本土に、戻ろう・・・・」
レイトンは、仮面の下の正体に気付いただろうか・・・?
謎を謎のままにはしておかないが、確証を得るまでは解明宣言をしない名探偵気取りの紳士様だ。デスコールがまた事を起こせば、阻止するために、正体を確かめるために、立ち塞がってくることだろう。
「エルシャール・レイトン・・・・、追ってくるがいい・・・!」
再び相見えることになる・・・それは確信に近い予感、そして誰にも言えぬ愉しみでもあった。
《END》
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・・・ってうわあ・・・なにこれめっさ恥ずかしいですな・・・恐るべし酔った勢い。
なんでこんなに呻き声と喘ぎ声ばっかりなのw
先生とデスコさん知り合いじゃないの?デスコールって本名だろ?声とかでわかんねえの?しかしあまり捏造を繰り広げると後でぎゃふんとなりそうなので、これくらいで!
(2010/01/08)
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